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緊急避妊薬ノルレボの市販薬化について全力で答えるQ&A
2011年2月に日本でも「緊急避妊薬ノルレボ」が認可されました。
海外先進国のほとんどでは、実はこの「ノルレボ」はドラッグストアでも購入できる市販薬です。
日本のノルレボは産科・婦人科処方限定の、価格は15,000円以上(中には3万円処方の病院も)。
海外はおおよそ1,500円程度です。
同じ薬が、10倍以上の差になっています。
日本でもこのノルレボを市販薬にしたいという活動をしています。
別に要らない?
「なんで緊急避妊薬なんて必要なの? コンドームでいいじゃん」
「低用量ピル飲めばいいじゃん?」
「今までの安い緊急避妊があるから問題ないじゃん」
「72時間以内ならいいんでしょ? 次の日病院に貰いに行けば?」
心配事?
「気軽に中出しすようになるからダメ」
「ゴムを使わなくなるから性病が蔓延するじゃん」
「身体に悪い副作用の強いピルが手軽に買えるのは危険!」
「性が乱れる原因になりそう」
何が大切?
「レイプされた時はまず警察と病院だろ」
「性教育が先だろ」
「そんなに妊娠したくないならセックスしなけりゃいいじゃん」
「値段が高い方がみんな慎重になって良いじゃん」
誰のため?
「男の為にセックスするんだから男に責任を取らせろ」
「後で自分で避妊薬飲めよと女を軽視する男が出てくるだろう」
「そんなの気楽に買えたら男がレイプに使うんじゃないの?」
緊急避妊って?
避妊に失敗してしまった時、うっかりしていた時、そして意思を無視されて強引にされてしまった時……
そういう時の為に海外では、事後に服用して避妊をする為の避妊薬が開発されてきました。
きっかけはカナダのアルバート・ヤッペ先生という人が発見したことでした。
毎日飲む常用のピルを一定量飲むことで、事後の排卵を抑えて、移動を遅くし、着床に必要な条件を回避させることができたのです。
これは中用量ピルと、そしてその後出てくる低用量ピルのどちらでも可能でした。
それは本当に大発見でしたので、国内外から絶賛されたようです。結果ヤッペ先生は多くの女性を救いました。
その成果を受けて、海外では「事後の避妊に特化した専用薬の開発」が行われました。
ヤッペ先生考案のいわば代替法では、薬剤によって多少前後しますが「副作用がとても強かった」のです。
結果、海外では「ノルレボ」のような、副作用のとても軽い緊急避妊薬が開発されました。更には「事後5日まで効果が期待できる緊急避妊薬」 も開発され、既に海外では多くの女性に利用されています。
詳しくは「知っておきたいアフターピルの基礎情報」
「緊急避妊の解説動画(日本語付き) 」
参照
「なんで緊急避妊薬なんて必要なの? コンドームでいいじゃん」
コンドームは案外破れます。知らない間に爪を引っかけちゃってたり、一緒に使ってはいけないものを使って劣化させてしまったり。
コンドームは案外抜けます。ちゃんと付けてたつもりでも、動いているうちに奥の方に行っちゃってたり、抜く時にズルっと中に置いてっちゃってたり。
ヒューマンエラー(人の手によるミスの発生)は、完全にはなくせないんです。
それは社会の「仕事」でも同じです。ただ「気を付ける」だけではエラーをなくす事はできません。
ヒューマンエラーを防ぐには、「エラーを未然に防ぐ、エラーをカバーするシステム」が必要。
コンドームでの避妊失敗は、誰のせいでもないんです。
いくらちゃんと使おうとしても、破れたり抜けてしまったりすることがあるから。
あなたのコンドームの失敗は、あなたが下手だったから? そういう妊娠は、自分のせい?
失敗のフォロー、必要じゃないですか?
詳しくは「コンドームを使わなくなる?」参照
「低用量ピル飲めばいいじゃん?」
「低用量ピル飲めばいいじゃん?」
「コンドーム使えばいいじゃん?」
体質的に低用量混合ピルが合わない人がいます。
毎日飲まなければいけないピルそのものが自分には無理と思う人がいます。
日本にいれば「コンドームが一般的な避妊」「ヤリたい中出ししたい人はピルを飲む」なんて考えは一般的かもしれません。
でも世界はそんなすっトロい日本を置いて、とっくに「飲まなくてもいいコンドーム以外の避妊方法」を定着させています。
でもそんな海外でも、どれかの避妊方法一本槍になったことはないのです。
もちろん海外でコンドームが淘汰されたわけでもありません。
あくまで世界は「選択できるようにしてきた」ということ。
そして、低用量ピル最大の欠点は「毎日飲まなければいけないこと」
忘れた時のサポートにも、そしてそれ以外の避妊のサポートにも、ノルレボは必要です。
詳しくは「ピル普及の障害になる?」参照
「今までの安い緊急避妊があるから問題ないじゃん」
価格面では「今の日本のノルレボよりはマシ」というだけで、それまでの緊急避妊(中用量ピルによるヤッペ法)、そして毎日飲む常用の低用量ピルだって、 海外と比べれば同様に高いです。
そして何より、中用量(低用量)ピルによる緊急避妊の副作用は、ノルレボとは比べ物にならないほど強いですよ。
「緊急避妊はめちゃくちゃシンドイ」という伝言ゲームが消えないのは、この中用量ピルでの緊急避妊を経験した人の言葉が今も伝わっているからです。
主にヨーロッパとの価格比較を置いておくね。
(ヨーロッパも国によって多少前後あるけれどもちろん日本程じゃないですよ)
日本 | ヨーロッパ | |
混合低用量ピル(デイリー) | 2,000~3,000円程(月) (※1) | 100~200円足らず(月) |
緊急避妊(低・中用量) | 5,000円~6,000円 (※2) | 500円くらい? (※3) |
緊急避妊(ノルレボ) | 15,000円~30,000円 | 1,500円程 |
ミレーナ(子宮内避妊システム) | 40,000円~70,000円 | 30,000~40,000円程度? (※4) |
※1 地方平均はその程度。東京都都心には産科を持たないレディースクリニックを中心に1,000円台が結構ある
※2 高い所の情報では10,000円を見掛けた
※3 海外ではヤッペ法による緊急避妊はほとんど淘汰されているのでまず処方されることはないし、(安い方高い方なんてやってるのは日本だけ)、
当時日本以外でヤッペ法にて処方されていたのは低用量ピルが大半
※4 ドイツの値だけどこれも情報不足、日本とヨーロッパでは有効年数が違う イギリスでは基本避妊関係は無料
冒頭に書いたとおり「一定量のホルモンを摂取することで緊急避妊になる」。
なので、構成成分的にはあまり変わらない低用量ピルと中用量ピル、どちらでも緊急避妊は可能。
(一部バランス的に難しい低用量はあるが、錠数で言うとほぼ倍で出来る)
でも日本では「低用量ピルで緊急避妊ができること」が伏せられ、中用量ピルを高額で処方されています。
詳しくは「ノルレボの異常価格を是正」参照
「72時間以内ならいいんでしょ? 次の日病院に貰いに行けば?」
グラフの通り、早ければ早いほど成功率が高くなります。
「72時間以内なら大丈夫」じゃないんだよ、できるだけ早い方がいいんです。
事後、数時間の判断に掛かっています。
さらには、72時間以降もまったく無意味ってわけじゃないんですよ。
時間経過で減少を続け、完全に効果がなくなるのは120時間後と言われています。
詳しくは「緊急避妊薬の早い服用が必要な理由 」
「服用が24時間遅れる毎に妊娠確率は3倍 」
参照
「気軽に中出しすようになるからダメ」
生で中出しした時妊娠する確率:8%(あらゆる状態を含めて)
緊急避妊ノルレボを使った時:2%(回避率80%程度、時間経過により前後する)
外出し:2%(ムリヤリ確率にすると)
外出し(以下)の避妊率で、結果がわかるのに数日から数週間掛かる方法で、定期的なセックスを行うことができますか?
詳しくは「コンドームを使わなくなる?」参照
「ゴムを使わなくなるから性病が蔓延するじゃん」
「気軽に中出しすようになるからダメ」の通り、緊急避妊薬ノルレボによる避妊率は、服用時間に左右されますが高くてせいぜい98%程度。
この数値は、いわゆる外出しと同じか場合によってはそれ以下です。
外出し以下の避妊率なら、誰がコンドーム無しの緊急避妊に頼って安心してセックスをできるのでしょう。
昨今のスマホゲーガチャなら、2%の値なんてみんな「自分が当たる気になる数字」ではないですか?
それまで「外出しで平気」と思っていた人はきっとあまり変わらないでしょうが、「コンドームが大事」と思っていた人が外してしまうことはありません。
詳しくは「性感染症が広まる?」参照
「身体に悪い副作用の強いピルが手軽に買えるのは危険!」
ピルにも色んな種類がある。
身体への負担が少なくなるよう、沢山の種類が開発され、海外では使用されてきました。
そのうち、日本で避妊用として認可されているものはごく一部。
ノルレボという緊急避妊薬は、その中でも比較的新しい方で、副作用としては市販の風邪薬程度のもの。
副作用が気になるからと、市販の総合感冒薬や解熱鎮痛剤を一切飲まない人は、どのくらいいるのかな?
特に「副作用が強いからダメ!」を主張する人は、昔から使われている「中用量ピルによるヤッペ法」の副作用を聞きかじって、それと混同している節があります。
中用量のヤッペ法とは、明らかに副作用の度合いが違うよ。
もし知り合いの人から「緊急避妊はツラかった」というお話を聞いての事なら、もっと詳しく聞いてみて下さい。
金額はどのくらいだったか、錠数と服用回数はどうだったか、処方年はいつだったか。
詳しくは「副作用が心配」参照
「性が乱れる原因になりそう」
コンドームが市販されることになった時代にも、まったく同じ事を言われていました。
もちろん低用量ピル認可前にも言われていました。
実際には乱れたのかな? そもそも性が乱れるって、なあに?
妊娠しない確証が得られたら、男女問わず全員が全員、毎日誰かれ構わずセックスをして、世の中はえらい事になる?
ピルユーザーは日本にも世界にも居ますが、ピルの普及でそんな人が溢れかえったわけではありません。
また、緊急避妊薬そのものは常用の避妊に使えるほどの避妊率ではありません。
みんな当たり前に、したい人とセックスをするし、したくない人とはしないよね。
それともあなたは、そういう希望を抱いているのかな?
だとしたらそれも個人の自由です、性感染症の検査は必ずしましょうね。
詳しくは「安易なセックスを助長する?」参照
「レイプされた時はまず警察と病院だろ」
それは最も限りなく正解に近いです。
でも、傷付いた心身ですぐさま警察に駆け込める強靭な精神の人間だけが、この世にいるわけではないよね。
それができる人はもちろんそうするのがベスト。
でも状況的に精神的に辛くて、それをするエネルギーさえ失う人もいます。
そんな人に「いや警察に行く事が正しいから!」と正論をぶつけるのは、果たして正義なのかな?
市販薬化されれば本人以外が買ってきて飲んでもらうこともできます。警察にはもちろんその後行く事もできるよ。
あなたの友達や家族がもしそういう状況になったら?
本人は辛くて辛くてしょうがない動けない状態なのに、「警察に! 警察に!」と言い続けて、本当に友達を救えるんでしょうか?
詳しくは「レイプ被害と緊急避妊薬」参照
「性教育が先だろ」
「どちらか」ではなく「どちらも」がベストだよね。
教育機関での指導を想定していると思うけど、学校を卒業して立派な大人になった人間に、どうやって性教育しよう?
この活動を支持している人に、「性教育なんて不要」と言っている人間はひとりもいません。
もちろん、性教育も大事。教育について活動できる人も必要。
でもこの日本では、子供に性教育をすること自体が悪のように思われています。
実際に「性教育バッシング」は過去に何度もありました。
さて、どうやって立ち向かおうか?
それは、私達にもわからないです。けれど、できるだけのことを皆でやっていこうよ。
市販化する運動は、可能性のうちのひとつでしかないのです。
詳しくは「教育の重要性とノルレボの市販薬化」
「権利としての避妊意識」
「ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか(1)」
参照
「そんなに妊娠したくないならセックスしなけりゃいいじゃん」
ならあなた自身は、それでいいんじゃないのかな?
あなただけは、恋人ができようが結婚しようが、妊娠目的以外でのセックスを一切しなければ、それで大丈夫じゃないかな?
でももし、あなたに恋人ができて、好きで好きでたまらなくて、その好きの延長で恋人とセックスをしたくて、でも子供は出来たら困るけれど、それでも思わずしてしまって、 そして万が一避妊に失敗したと思った時には、その時に市販化されているかもしれないノルレボを使うといいですよ。
「我慢するべき教育」「性的なものはイケナイもの教育」は実際には実を結ばないし、誰も幸せにはなれないんですよ。
詳しくは「教育の重要性とノルレボの市販薬化 - セックスさせない教育」参照
「値段が高い方がみんな慎重になって良いじゃん」
失敗を恐れて、本当にみんな皆が慎重になるのかな?
でも、慎重にセックスするって、どういうこと?
あまりセックスをしないこと?
慎重に避妊をすることも、慎重に運転をすることも、とても大切なこと。
でもどちらも、失敗の可能性をゼロにすることはできません。
運転のサポートとして自動ブレーキやナビゲーション、AIによる自動運転などが実装されてきました。事故後には自動車保険もあります。
でもいくら罰則を強化しても、システム面からでないと人のミスは減らせません。
飲酒運転のような「明確な故意」には有効ですが。
ならば、「故意にちゃんとしなかったセックス」と、「ちゃんと慎重にしたセックス」を、誰がどういう基準で判別できるのかな?
詳しくは「ノルレボの異常価格を是正」参照
「後で自分で避妊薬飲めばいいじゃんと女を軽視する男が出てくるだろう」
そんなクズ思考の人間はきっと、今もなおクズ行為をやっているだけで、避妊がどうこうとかいう次元の話ではなく「DV問題」の域のはずです。
そんなクズ人間が今も「外出し」やらの適当な避妊方法でセックスをしているとしたら、そんな風に雑に女性と付き合っているとしたら、状況的には大して変わらないのではないですか?
問題を何もかも一緒くたにしてはいけません。
「そんなの気楽に買えたら男がレイプに使うんじゃないの?」
レイプなんてやってやろうと思う人間が、妊娠する側のことを心配してわざわざ気を使ってお薬を買ってくるのかな?
「妊娠させちゃうからレイプしてはいけない!」と思っている人間が本当にいるのかな?
レイプする奴にはそんなの関係ないんじゃない?
それってつまり、日本の男性を「妊娠の心配がなくなったらレイプを我慢できない奴ら」みたいに言ってるのと同じじゃないかな?
あなたの身近な男性に、それ、言えるのかな?
自分は男性だ? それは失礼しました。
自分は違う、けど他の同性はレイプするでおk??
もっと知りたい!と思ってもらえたなら
できるだけ沢山の人にわかってもらえる説明の為に、細かい部分はかなり省きました。
もしこのサイトをお読みになって、緊急避妊薬、ノルレボ、ピルそのものへの興味が湧いたなら、
以下のサイトもご覧になってみて下さい。
情報を知っていればはきっと、あなた自身や周りの方の助けになれると思います。
- 知っておきたい「ピルの常識」
ピルについての基本的なことを、広い視点で押さえています - 緊急避妊薬の働きについて考える
アニメーションをふまえて、その働きについてを説明しています - すぐに必要な時がある。緊急避妊薬ノルレボを市販薬に!
ノルレボ市販薬化のキャンペーンブログ。各種ソースを併記して丁寧に説明されています - ピルとのつきあい方
20年近く前からずっと日本の女性の為にピルについての情報を提供して下さっているサイト